当院でやけどの治療ができるようになりました。
当院ではやけどの跡が残らない治療を目指して、湿潤療法を行います。この治療はすでに始まってから15年以上経っていますが、未だに十分には広がっていないようです。最近では小児科でも治療ができるようになりました。
小児科で行うメリットは、やけど後数日後から発熱することがよくあります。その原因がやけどによるものか、感冒、ヘルペス、または他の感染症との区別がつきにくいことがあります。しかしその区別を的確に出来るのは小児科です。
新しい治療法は原則的に消毒をしない。これは新しい創傷治療と同様です。消毒すると、自分の正常な細胞・組織にダメージを与え、治癒が遅れます。また治癒後も瘢痕が残ります。
ガーゼも使用しません。ガーゼは傷口を乾燥(乾燥させるといつまで経ってもやけどは治りません)させます。さらにガーゼは交換するときに剥がしますが、そのときにまた傷を付けてしまって何時(いつ)までも治りが悪くなる原因となります。
抗生物質は最初から使用することはありません。しかし必要なときは勿論使用します。むやみに使用すると耐性菌を作ることになりますから。抗生物質だけではありません。
むやみに薬剤を使用すると、かえって治癒を遅らせることがありますので、薬剤の使用は出来るだけ限定して使用します。
以上のことからたとえかなりの重症なやけどでも痛みがないのが特徴です。また治癒後の傷が目立たないのも大きな利点です。
痛くなく、後が残りにくいやけどの治療を目指しています。くろさか小児科アレルギー科