一般小児科


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お子さんの食物に対する偏食(好き嫌い)に悩まされる親はかなり多くおられます。何か方法はないものでしょうか。そんな悩みに少し答えてくれる論文がありました。この論文によると、養育者が子どもに偏食があると判断するまでに、養育者が子どもに新しい食べ物を与える回数は3-5回でした。この論文の著者は、子どもに新しい食べ物を与えるとき、その食べ物を子どもが受け入れさせるためには、もっと多く繰り返し(8-15回)与える必要があると結論しています。

Prevalence of picky eaters among infants and toddlers and their caregivers' decisions about offering a new food.Betty Ruth Carruth J Am Diet Assoc. 2004 104 Sppl 1 s57-64

 

 

 

 

 

 

夜泣きに悩まされておられる赤ちゃんと家族は多くおられます。夜中に何回も起こされて、翌日の仕事にも差し支えることも度々です。この夜泣きの原因は沢山あります。その一つが自閉症のことがあります。自閉症と睡眠障害については既に多数の報告がありますが、この論文はある地域の1歳児(12ヶ月)を前向きに経過観察して2歳(24ヶ月)時に日本でもよく用いられているM-CHATにて判定したものです。この研究では夜間の起きる回数が自閉症と関連があったと結論しています。なお夜泣きは種々の生活での工夫、薬物(漢方薬等)によりコントロール出来ますので、お悩みの方は是非相談してください。

Prospective associations between infant Sleep at months and Autism Spectrum Disorder Screening Scores at 24 Months in a Community-Based Birth Cohort. A. K. Danny Nguyen J Clin Psychiatry 2018;79(1):16m 11127

 

 

         この図は和歌山医科大学婦人科教授井箟一彦先生が作成されて掲載の許可を受けています

 子宮頸がんワクチンは2006年に開発され使用され始めました。日本では2009年に承認され、2013年4月より定期接種が始まりましたが、注射による痛みによる後遺症?について朝日新聞による強力なキャンペーンで厚生労働省はは僅か2ヶ月後に積極的勧奨を中止してしまいました。そのために世界では80-90%の摂取率であるのに、日本では0.3%と極端に低い摂取率になってしまいました。2022年になって積極的接種勧奨が再開されました。それでも現在になってもまだ10年前のマスコミのキャンペーンが脳裏に焼き付いているためかワクチンをの接種をためらう方が大多数です。さらに悪いことに日本は子宮頸がん検診率が海外と較べても低いのです。上の図を見てください。がんと言うと高齢の人が罹患するものと思ってはいないでしょうか。確かに1985年頃はそうでした。ところがその後急速に若年化が進み、働き盛りの若い女性や子育て世代の25歳から40歳までの女性が最も多く子宮頸がんに罹患しています。その人数は毎年11,000人です。しかし発見されたときは手遅れでそのうち2,900人が死亡されています。それだけではありません。命は助かっても赤ちゃんを産めなくなってしまわれる方が毎年1,000人もおられます。注射の副作用は2018年の名古屋での調査で否定されました(この欄でも報告しました)。このままの摂取率が続きますと3万人近くの若い女性が犠牲になることになります。積極的にワクチンを接種している外国では子宮頸がんが減少してきていると報告されています。上の図を見て、それでも子宮頸がんワクチンを受けませんか?

 

 

 

 

 

今回の文献は原因不明のアナフィラキシーの総説です。アナフィラキシーの原因を探すのに、問診は欠かせませんが、それでも不明の場合があります。その場合抗原検査を闇雲に行っても、ほとんど無意味です。しかしその前に何かを食べていれば検査をする価値はあります。それでも解らないことがあります。そのような場合に、とりあえずすべき又はした方がベターな検査について記載されています。この中で最近来られた患者さんで、α-GAL抗体陽性の患者さんがおられました。このα-GALによるアレルギーは獣肉、カレイの卵にアレルギーがあり、肉に関しては摂取後5-6時間後に症状が出てきます。この原因はマダニです。その大部分の方は犬を飼育されています。犬がマダニを外から連れて帰ってきたためだと想像されています。別の原因として食品の中にダニが繁殖して、それを食べてアナフィラキシーを起こす方がおられます。日本ではお好み焼きの素を開封して、残りをそのまま放置して、数ヶ月後に使用してアナフィラキシーを起こします。当院では数例経験があります。実際その残りのお好み焼きの素を顕微鏡で見ると無数のダニが動き回っていました。外国ではパンケーキ症候群として知られています。その他マスト細胞症mastocytosisについても記載があり、大変役立つ論文です。

Idiopathic Anaphylaxis
Paul A. Greenberger
J Allergy Clin Immunol Pract 2014;2:243-50

 

 

 

 

 

 

 

 前回の文献で電子タバコは紙タバコ使用頻度を増加させないとの最近の調査結果のを照会しましたが、この文献は少し古いですが、電子タバコは紙タバコへの使用へ誘導する可能性があり、逆に紙タバコを使用している人は電子タバコには誘導しないとの文献です。これらの文献で言えることは、紙タバコを止めたい人は出来れば電子タバコに変える方が害が少ないと言えるでしょう。一方電子タバコを始めた人は紙タバコに移行する可能性が高まる可能性があるので、タバコを吸わない人は、決して電子タバコにも手を出さないことです。

Trajectories of E-Cigarette and Conventional Cigarette Use Among Youth
Krysten W. Bold
Pediatrics (2018) 141 (1): e20171832.

 

 

 

 

 

 

 

 

 電子タバコについて皆さんはどのような印象を持たれていますか。タバコと同じで害があるので勧めるべきではないと一般的には思われています。それは正しいのですが、現在紙タバコを吸っている人にとっても害があるのみなのでしょうか。恥ずかしながら私は紙タバコと同じようなものと思っていました。最近米国のアレルギー関係の雑誌に電子タバコについての解説が掲載されました。それによると紙タバコと比較してその害ははるかに少なく、最終的には禁煙の補助になるかもしれないことが書かれていました。現在禁煙用の補助薬剤であるチャンピックスが2022年から手に入らなくなりました。その代わりにはなりませんが、どうしてもタバコを止められない人には試みる価値はありそうです。この論文を全訳しましたが、かなり長文です。時間の無い方は表2だけでも読んでください。この表電子タバコに関するよくある誤解が掲載されています。例えば「電子タバコは禁煙には役立たない?」「ニコチンには害がある?」「ニコチンは若者の脳に害がある?」「若者の電子タバコは喫煙の入り口である?」等大変興味深い質問・常識に対して的確に答えています。答えの一例として「ニコチンは癌、心臓、または肺の病気原因とはならない」と答えています。是非一読してください。電子タバコに対するイメージが変わります。

Polosa R  A close look at vaping adolescents and young adults in the United States             J Allergy Clin Immunol Pract. 2022 Nov;10(11):2831-2842.

 

 

 

 

 

 こどもの便秘は一般に軽視されすぎています。その一例がトイレに踏み台(ステップ)がないことです。またおまるの使用は幼児の排便には足を踏ん張るのに役立ちますので是非使用してみましょう。便をよく観察しましょう。保護者が「毎日便が出ています」と言われているので、確かめるとコロコロの硬い便だったことがあります。急病センター、当院でも腹痛が激しく、嘔吐して、顔面蒼白になって救急で受診される方のかなりの割合で原因が便秘の場合があります。幼児期に幼児自身が排便することを苦痛であると認識しますと、さらに排便をしないように自分でコントロールします。そのために益々便秘になり、悪循環になります。ひどくなると、便をパンツの中に排便してしまう遺糞症になります。排便をスムースにして、排便後のすっきり感を経験することは大切です。最近の便秘の治療薬は優れていますので、使用しても習慣性(癖)になることはありません。便秘のまま放置することの方が習慣性になります。排便時に苦しんでいる場合は、必ず受診しましょう。

 

 

 

 

 

 マスクはコロナ感染の予防効果が本当にあるのでしょか。そんな疑問を抱くことはありませんか。そんな疑問を抱くことはありませんか。マスクをするのを嫌がる米国でマスクを全員する場合と好きな人だけがする場合、コロナに感染した生徒が他の生徒に感染させる(2次感染)危険度を調査した論文が、米国の小児科雑誌(Pediatrics)に掲載されました。マスクをしたい人だけがした場合は、全生徒がマスクした場合と比較すると7.5倍2次感染が多くなることが解りました。

Angelique E. Boutzoukas School Masking Policies and Secondary SARS-CoV-2 Transmission PEDIATRICS Volume 149, number 6, Month 2022:e2022056687

 

 



泣き入りひきつけ泣き入りひきつけ

 泣き入りひきつけ(憤怒けいれん)は乳幼児(6ヶ月から3歳)が激しく泣いた後、呼吸が停止し、顔色が悪くなり、意識消失したり、さらには痙攣(けいれん)まで起こすことがる疾患です。型は2つあり、青色発作(チアノーゼ型)と白色発作(蒼白型)があります。青色発作は激しく泣いた後に呼気が長引いてそのまま吸気しないで低酸素となって値アトピー性皮膚炎の喘息をきたします。白色発作は痛み・刺激・驚愕等が引き金になって、迷走神経刺激によって徐脈・一時的な心停止によって脳が無酸素状態になって失神するものです。この疾患の治療には鉄剤が有効であることはよく知られていましたが、最近トルコから日本の小児科英文誌に、特に貧血がなくても鉄剤が有効であるとの報告が掲載されました。泣き入りひきつけ(憤怒けいれん)はよくある疾患ですので、大変参考になります。

Does iron therapy have a place in the management of all breath-holding spells?
M€ujgan Arslan,
Pediatrics International (2021) 63, 1344–1350 doi: 10.1111







 起立性調節障害は思春期のお子さんにはよくある疾患です。朝、起きられなくなり学校を休みがちになり、不思議なことに昼を過ぎると段々元気になり、夜になると別人のように活発になりますが、翌日の朝になると、やはり起きられなくなる事を繰り返しています。そして昼と夜が逆転するような生活になってしまいます。今回紹介する文献は古いものですが、大変興味深いものです。現在の宇宙飛行士は帰還後も比較的元気ですが、以前の宇宙飛行士が長期間宇宙に滞在してから帰還すると、立てなくなっていました。この論文も日本宇宙フォーラムが資金援助した論文です。元気な青年でさえも10日間ベッドで横になっていると自立神経が不調になり、起立性調節障害の症状をきたしたという大変興味深いものです。ここから解ることは少なくとも一日中寝転んでいると自律神経が不調になる可能性があることが示されました。この疾患は人間にとって、運動・食事・睡眠が如何に重要であるかということも示しています。

Measurement of inferior vena cava diameter for evaluation of venous return in subjects on day 10 of a bed-rest experiment
安静実験の10日目の被験者の静脈還流を評価するための下大静脈径の測定
Yuko Ishizaki
J Appl Physiol 96: 2179–2186, 2004








 夜尿症は多くのお子さんが経験する一般的な症状です。治療は5歳以上が対象です。薬物治療は低学年では抗利尿ホルモン剤、高学年ではアラーム療法が一般的です。その他に抗コリン薬、抗うつ剤があります。こ文献はアラーム療法において単にブザーが鳴る従来のものとブザーが鳴った後、ブザーを消すとあらかじめ録音された言葉がアナウンスされて子どもを褒めるやり方です。この2つの方法を比較したものです。結論的には2つの方法で大きな差はありませんでしたが、褒める方がアラーム療法を中止してしまう割合が少ない結果でした。このことから夜尿症がなかった日を褒めるだけではなく、ブザーで目覚めたことを褒めることがより効果的であることが示されました。








 子宮頸がんのために毎年2500-3000人の方が亡くなられています。今回米国の一流雑誌に、日本の子宮頸がんの患者さんから出生時に赤ちゃんが羊水と共に吸引して赤ちゃんの肺にその癌が移った2例の症例が報告されました。この報告は2例とも母親からの子宮頸がんがから移ったことを証明したものです。残念ながら子宮頸がんになられた母親はいずれも亡くなっておられます。また赤ちゃんはその後、一例目は1歳11ヶ月で肺の癌が、また2例目は6歳になってから肺に癌が発見されています。その後の治療により2人のお子さんは命は取り留められましたが、いずれも片肺を切除する大手術を受けられています。子宮頸がんが如何に悲惨なものかを示しています。子宮頸がんを予防する方法は2つです。1つは子宮頸がん検診を毎年受けること。2つは子宮頸がんワクチンを受けることです。子宮頸がんワクチンは早期に受けるほど効果が高いことが証明さされています。是非子宮頸がんの予防注射を受けましょう。

Vaginal Transmission of Cancer from Mothers with Cervical Cancer to Infants. N Engt J Med 2021;314!42·50.

 





小児でのコロナウイルス感染症の報告の論文はほとんどありません。この度米国小児科雑誌Pediatrics に中国から小児コロナウイルス感染症の疫学に関する報告が電子版に載りました。早速翻訳してみました。この中で明らかになったのは小児のどの年例でも感染することと乳児では重症化率が高いことが判明しました。男女差はほとんどありませんが、やや男児の方が多いようです。

Epidemiology of COVID-19 Among Children in China
Yuanyuan Dong, Xi Mo, Yabin Hu, Xin Qi, Fang Jiang, Zhongyi Jiang, Shilu Tonga
2020 American Academy of Pediatrics    注:まだPubMedに記載されていません






子宮頸がんワクチンが危険であるという一部グループ・マスコミによる副作用キャンペーンによって積極的な勧奨が控えられていますが、名古屋市での大規模な調査によって副作用は否定されましたこの調査は本来は薬害を証明するために行った調査ですが、結果は副反応症とワクチンとの関連性は認められないという結果でした。対象年齢の女子は積極的にワクチンを受けましょう。

No association between HPV vaccine and reportedb post-vaccination symptoms in Japanese young women: Results of the Nagoya study
Sadao Suzuki Papillomavirus Research 5 (2018) 96–103








レストレスレッグス症候群(別名:ムズムズ脚症候群)の治療はどうするのでしょうか。レストレスレッグス症候群(別名:ムズムズ脚症候群)の原因は小児の場合鉄不足が大きな原因を占めています。それ以外に遺伝要素も大きいようです。一つの遺伝子ではなく複数の遺伝子が同定されています。鉄治療の場合フェリチンを50mcg/L以上に保つ必要があるようです。鉄は脳の発達・機能に重要な役割を果たしています。鉄は脳のドーパミン産生、シナプス密度、ミエリン生成に関与しています。この論文は米国の小児病院でのレストレスレッグス症候群(別名:ムズムズ脚症候群)の治療について報告です。やはり鉄が重要な様です。
Louella B. Amos Treatment of Pediatric Restless Legs Syndrome Clin Pediatr 2014 53 331-6
 







レストレスレッグス症候群(別名:ムズムズ脚症候群)をご存じでしょうか。大人にはよくある病気です。先日姫路の急病センターに出務していたときに脚がムズムズするという子がいました。実は病名は知っていましたが、それほど詳しくなく、しかも小児にはあまりないものと思っていました。実際は少なからずあるようです。どのような病気なのでしょうか。この病気の国際的な診断基準を記載してある文献を見つけました。

Daniel L. Picchietti  Pediatric restless legs syndrome diagnostic criteria: an update by the International Restless Legs Syndrome Study Group
Sleep Medicine 14 (2013) 1253–1259








おむつかぶれは多くの乳児が経験する皮膚のトラブルです。その原因と対策について簡単に解説した総説です。ごく当たり前のことしか記載されていませんが、私たちが普段行っていることが間違っていないことの確認に役立ちます。ここでも述べられていますが、最近のおむつの進歩は目を見張ります。昔は布おむつでした。小児科には毎日のようにおむつかぶれで来院する赤ちゃんがいました。現在では激減しています。最先端のおむつの素材が姫路でも作られているのは姫路に住むものとしては嬉しいことです。

Ulrike Blume-Peytavi Prevention and treatment of diaper dermatitis Pediatric Dermatoloav. 2018;35:s19-s23  







学校のプールに入って気分が悪くなり溺れそうになった患者さんがおられました。実際プールに入ると臭(にお)いがすることがよくあります。一般には塩素の臭いと思われていました。恥ずかしながら私も塩素の臭(にお)いと思っていました。しかし実際は塩素の臭いではなく、塩素と人間からの排泄物(尿・汗)と反応してできた化学物質のためであることをNHK で放送していました。そこでプールでの化学物質について調べて見ました。すると5人に一人がプールで排尿するとのことです。そしてその尿の中にある窒素化合物(アンモニア、尿酸等)と塩素が反応してクロラミン、シアン塩化物が産生されて、これが不快な臭いを産生して、化学物質過敏症のような症状を来たす可能性があるようです。プールでおしっこをしないようにお子さんに注意しましょう。でもNHKによるとおしっこをプールでするのはお子さんだけではなく、大人もしているとのことです。プールでおしっこをしてはいけませんよ!!!

Environ Int. 2015 Mar;76:16-31. doi: 10.1016/j.envint.2014.11.012. Epub 2014 Dec 11.
Chemical contaminants in swimming pools: Occurrence, implications and control.
Teo TL

Sci Am. 2014 Aug;311(2):18. Don't put the "Pee" in pool [No authors listed]












熱性痙攣はよく見られる疾患です。初めて自分のお子さんが痙攣を起こすとまさに「肝が潰れる」思いです。しかし5分間は観察しましょう。それ以上長い痙攣であれば救急車を呼びましょう。熱性痙攣で注意すべきことがこの論文では簡潔に書かれています。ある患者さんでは発熱するとまた痙攣が起こると思い、体温を測り続け、少しでも発熱があると解熱薬を入れて予防しようとされておられた方がいましたが、その必要性はありません。この論文の大切な部分は表になっていましたので訳しておきました。参考にしてください。役立ちます.

Graves RC Febrile seizures: risks, evaluation, and prognosis. Am Fam Physician. 2012 Jan 15;85(2):149-53.

なお熱性痙攣について日本小児神経学会から「熱性けいれん診療ガイドライン 2015」が発刊されていますが、ネットでダウンロードできます。 








マッサージは日本、中国の専売特許と思っていましたが、米国でも盛んのようです。この論文は古いですが、マーサージも鼻洗浄と同様に慢性副鼻腔炎に効果があるというものです。大変興味ある論文です。

Heatley DG Nasal irrigation for the alleviation of sinonasal symptoms Otolaryngol Head Neck Surg. 2001 Jul;125(1):44-8

 









膿が鼻から出て、毎日咳がでて困られておられるお子さんが多数来院されています。鼻洗浄は一般によく行われていますが、本当に効果があるのでしょうか。この論文は鼻洗浄の効果を調べたものです。急性副鼻腔炎には効果があるようです。

Gallant JN Nasal saline irrigation in pediatric rhinosinusitis: A systematic review. Int J Pediatr Otorhinolaryngol. 2018 May;108:155-162






起立性調節障害は朝どうしても起きられなく、学校・仕事を休みがちになり、本人・家族ともに深刻に悩まれておられます。一般に薬物治療を行いますが、それでも十分に改善されない場合も少なくないのが現実です。最近このような難治の方に理的食塩水を点滴で投与して症状が79%の患者さんが改善したとの報告がありました。その後も同様の報告があります。

Pediatr Cardiol. 2016 Feb;37(2):278-82 Intravenous Hydration for Management of Medication-Resistant Orthostatic Intolerance in the Adolescent and Young Adult Moak JP






夜泣きの原因は未だよく分かっていません。最近腸内細菌の乱れによって生じるのではないかとも言われています。Lactobacillus reuteri の菌を与えることによって21日以内に効果があるとの論文が発表されています。但し効果が明瞭なのは母乳児のみです。サンプルがありますので希望者は診察の時に尋ねてください。

Pediatrics. 2018 Jan;141(1). pii: e20171811. doi: 10.1542/peds.2017-1811.
Lactobacillus reuteri to Treat Infant Colic: A Meta-analysis.
Sung V

 

 

  

インフルエンザ治療でのエキナセアとタミフルを比較してどちらも同様に効果があり、エキナセアの方が副作用・合併症が少なかったという論文です。2018/03/07

Effect of an Echinacea-Based Hot Drink Versus Oseltamivir in Influenza Treatment:A Randomized,Double-Blind,Double-Dummy, Multicenter,Noninferiority Clinical Trial   KarelRauš Curr TherResClinExp. 2015;77:66–72





Blaschke AJ Rhinovirus in Febrile Infants and Risk of Bacterial Infection Pediatrics 2018141(2)e20172384

ライノウイルスは一般の風邪のウイルスです。乳児の発熱とりわけ3ヶ月未満の発熱は合併症が多く、発熱だけでも入院の対象になります。風邪は万病の元と言われていますが、この論文はウイルスに感染していない児とライノウイルス感染のある児と比較したものです。結果はイノウイルスは細菌感染にはあまり影響しないとの結論でした。残念ながらイノウイルスは現在ほとんどの病院で検査はできません