薬剤アレルギー

薬剤アレルギーの情報です。下記の緑の部分または絵をクリックすとさらに詳しい情報に移動します

 

 コロナワクチン(コミナティ)筋注後のアナフィラキシーが疑われた患者(一例)でのプリック(皮膚)試験は (アレルギー 2021 70 392-3 )PEG2000と実薬いずれも陰性であったと報告されています。また性差について Sex differences in the incidence of anaphylaxis to LNP-mRNA COVID-19 vaccines Vaccine 2021 39 3313-4 にてファイザ-製ワクチンでアナフィラキシーを起こした人の89.9%が女性との報告があります。この中で述べられているのは女性が使用する化粧品や避妊薬の注射にPEGが添加物として使用されているからだと述べてられています。今回紹介する文献はPEG(ポリエチレングリコール)にアレルギーがある人のワクチン接種の進め方についてです。この文献でも紹介されていますが、ポリエチレングリコールアレルギーの原因として便秘薬があります。実は私自身ポリエチレングリコールのような大きなポリマーはアレルゲン(抗原)にはならないのではと思っていました。ある日、便秘のお子さんに便秘薬(モビコール)を処方をしようとしたときにお母さんが「私がモビコールでアナフィラキシーを起こしたことがあるので処方を止めてください」と言われて、驚いた事があります。このような患者さんにコロナワクチンが全く打てないのか、少しでも打てる可能性があるのかについて検討した文献です。

Tolerability of polysorbate 80-containing COVID-19 vaccines in confirmed polyethylene glycol-allergic patients

Toon Ieven
J Allergy Clin Immunol Pract. 2021 Dec;9(12):4470-4472.e1.

 

 

 

 

 薬剤アレルギーはよくあるアレルギー症状の一つです。しかし意外とその診断は難しい事が多いのが現実です。重症の場合は基本的に血液検査を中心に、皮膚試験も含めて行います。しかし軽症の場合は皮膚試験、血液検査では陽性に出ることが少なく、確認は困難です。今回紹介する論文はアモキシリン(ペニシリンの1種、中耳炎・小児の細菌感染症の第一選択薬)による軽症の薬剤アレルギーに対して負荷試験によって、本当に薬剤アレルギーであるのかを確かめるのが重要であるとの論文です。軽症の薬剤アレルギーを疑われる場合、一般にきっちとした検査をしないで、疑われる薬剤を中止してしまうケースが実際には多いと思われます。しかしこのアモキシリン(商品名:サワシリン、パセトシン)を中止すると、他の薬剤に変更する必要がありますが、他の薬剤に変更すると効果が不十分だったり、耐性菌を作ってしまったりと問題があります。また薬剤アレルギーと思っていたものが、実際は風邪によるウイルスのための発疹だったりすることが70-80%見られるとのことです。アモキシリンで薬剤アレルギーを疑ったときは、しっかり検査をしましょう。

Exlus R Establishing Amoxicillin Allergy in Children through direct graded oral challenge JACIP 2021 9 4060-6